このページでは、エッセンシャルワーカーからの投稿をご紹介します。
「大阪集会に参加して」片山玲子さん
初めて大阪集会に参加をしました。「元気が出るよ!」「明るくにぎやか!」と聞いていた通りの会でした。
午前の分科会ですが、北海学園大学川村雅則教授の「会計年度任用職員制度を中心に、公務非正規問題の現状と問題解決の方向性を考える官民共闘を視野に入れて」に参加しました。
私自身が会計年度任用職員として働いているので、この制度がもたらした現場の働きにくさ、勤務条件の格差などを実感しています。
しかし、たとえば「学童保育指導員」を例として、そこで働く人たちは公設公営もいれば、公設民営、民設民営の労働者もいることを視野に広く捉えて、同じ業務をこなす非正規労働者の問題として調査し検証することを、川村教授
の話から気づかされました。
会計年度任用制度で非正規公務員の待遇が改善されたと思い込まされるような状況を実際の現場で見聞きする時、不安定な条件の中で働く人たちは「他の人よりも優遇されたい」との気持ちが起きるのは自然なことだが、自治体によっては労働時間を操作して期末手当が出る人、出ない人に分ける、長く働きたいと願う人の一部に抜け道をつくる、などの差別も生まれる現実。
しかし、諦めることなく「自治体のお金で働 いている人たちは同じ仲間」という意識で雇用の安定が満たされることが必要だと川村教授は説いていました。
また、民間では2012年に有期雇用から無期雇用への転換が法改定されたが、これは非正規公務員には適用されないことからも、会計年度任用制度はむしろ雇用安定に逆行したものではないか、との見方ができる。ただ、民間に
おいてもこの制度が「雇い止め」によって名ばかりのものになっていることからも、官民が共闘すべき課題のひとつが見えてくる。
川村教授は、それぞれが自分の住む町の実態を「調べる」ことが重要であり、「調べる」 を「つながる」ことに進めて、横にネットワークを広げていくことを取り組みの基礎とすること、と話されていたが、私にとっても新しい視点として地元
に持ち帰りたいと思いました。
NPO法人働き方ASU-NETの川西玲子さんによる、「奈良県庁会計年度任用職員の再任用拒否~人事委員会に申し立て」の報告も、会計年度任用の不条理な現状が明らかになり、大変関心を持って聴きました。
一人では闘うことは困難だけれど連帯することで可視化され次につながるのだと心強く感じることができました。 とても貴重な2時間であり、課題と共感を共有する場となりました。